アナログからデジタルまで、関連企業のエキスパートが手を結び、情報の保存と活用に貢献します 更新日:2005年10月11日
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Q & A
情報保存期間へのアンケート結果
参考資料

情報保存に関するQandA

1.修復
2.アーカイバル容器
3.くん蒸
4.レプリカ
5.収蔵庫
6.酸性紙、中性紙、再生紙
7.製本
8.資料のデジタル化
9.資料のマイクロ化
10. マイクロフィルムの保存
11. 写真(フィルム)の保存
12. 写真(プリント)の保存
13. デジタル・アナログ ハイブリッドシステム
14.
j磁気テープの保存
15. CD, DVD の保存

1.修復

Q1 修復って何ですか?

資料に直接行われる修復処置は、その資料を現在どのように利用し、その情報の何をどのような形で未来に残していくのかという方針を実行していくための手段の一つであると

捉えることができます。

但し、資料への修復処置は単独で採用されるべき選択ではありません。適切な修復処置が行われるためには、他メディアへの変換、資料の置かれる環境の整備といった選択肢とあわせて、現物に対してどのような処置が求められるのかを

判断することが重要です。

こうした判断のもと、資料の原型を優先すること、化学的に安定した素材を利用し、再処置の際には除去可能な方法をとること、そして修復の全過程を記録するという原則に基づき、処置を行うことが修復であると考えています。

Q2 修復ってどんな方法がありますか?

おもに以下の方法で、処置が行われます。

・調査・記録:処置前の資料の状態、同時に資料その物の材料などを非破壊検査などにより調査、記録する。それをもとに具体的な処置方針をたてる。

・クリーニング:ウエットクリーニング、ドライクリーニング、黴の滅菌、殺菌、虫害の後処理、不適切な元の修補剤や、劣化の原因となるステープルや金属クリップの除去。

・劣化予防:保存容器への収納、エンキャプシュレーションによる外部の劣化要因からの隔離と、脱酸性化処置、金属イオン抗酸化処置などによる腐食や劣化の予防。

・修補:植物繊維や生麩糊による修補、リーフキャスティング、紙力強化など。

・報告書作成:修復作業に用いた材料、処置を今後の保存のために全て記録する。

Q3 修復ってなぜ必要なのですか?

資料は時間と共に劣化していくものです。何を、どのような形で残すかという課題と共に、いかに資料を劣化から守り、保存していくかという対策が講じられてきました。
 資料が置かれる環境を整え、外部から受ける劣化要因から隔離するなどの対策と共に、資料自身の材料が原因となる劣化を防ぐ、化学的な処置の研究が進められてきました。
修復処置は、既に劣化が進んでしまった資料の安定化というだけでなく、劣化によって失われてしまうかもしれない情報を、現在の状態で考察し、

予防をするという役割も担っています。

 資料保存を考える上で、その資料の特徴をどう伝えるかという判断のもと、劣化に対する一つの対策として修復という選択があると考えています。

(文責 会員企業 ()紙資料修復工房)

2.アーカイバル容器

Q1 アーカイバル容器って何ですか?

アーカイバル容器とは、長期に保存し活用してもらう資料を、現在の状態で安寧に保存するための「いれもの」を指します。文書館では桐箱が代表的で、伝統的に使われてきたことは周知の通りですが、品質の良い桐箱は高価で、たくさんの公文書資料に採用することはできません。一方、安価な段ボール箱は酸性の紙でできているのが普通で、段ボール箱から発生する酸が収納した資料に悪い影響を
与えることがわかっています。

このため世界では60年代から、日本では80年代の後半から、資料の長期保存に適した品質の良い厚紙や段ボールを使った「いれもの」が開発され、普及していきました。要求される基本的な品質は、セルロース成分が多くリグニン含有量が極めて少ないこと、酸を含まないことです。こうした「いれもの」をアーカイバル
(長期・安定保存のための)な容器と呼びます。

Q2 アーカイバル容器にはどんな種類がありますか?

 セルロース分が豊富なケミカル・パルプを原料に炭酸カルシウムを一緒に漉き込んだ段ボールや厚紙が主材料で、弱アルカリ(pH 7.58.5)になるように調整してあります。組み立て用の接着剤や留め具も、長期にわたり安定性を保持するものが使用されています。また、アルカリやわずかな添加剤にも敏感な資料向けの無酸・無アルカリの封筒や箱、伝統的な桐の箱と同等の湿度調整機能をもつ箱も開発されており、ユーザーからのほとんどのニーズにお応えできます。

Q3 アーカイバル容器ってなぜ必要なのですか?

せっかく貴重な資料を収集整理しても、それを長期に収納していく「いれもの」が資料の劣化を導き出す原因になっている場合があります。アーカイバル容器は、これまでの酸性の素材を使った「いれもの」のような、資料への汚染がありません。外側からの酸性汚染物質はもちろん、資料そのものからでる酸性ガスもシャットアウトできます。劣化を促進する光やホコリから資料を守ります。温度と湿度の急激な変化への優れた緩衝機能を持っています。不適切な取り扱いからも資料を守ることができます。アーカイバル容器は、現物資料の保存のための身近な方法として、マイクロ化などの情報の代替や、修復などの他の技術と組み合わせても広く利用されています。

ただし、アーカイバル容器は魔法の「いれもの」ではありません。その「いれもの」を保管する書庫等の大きな環境、とりわけ温度・湿度を安定させることが前提になります。例えば高い温度と湿度の中に放置すれば、虫やカビが発生します。伝統的な「目通し」、「風通し」こそ、アーカイバル容器を上手に使っていただくための必須の条件です。

(文責 会員企業 ()資料保存器材)

3.くん蒸

Q1 くん蒸って何ですか?

文化財、絵画、書籍、貴重資料など「人」にとって固有の文化の証であったり、芸術性に優れた物であったりしても、「ムシ」にとっては単なるエサにすぎません。「カビ」にとっても居心地の良い環境を提供してもらっているということになります。
これら保存すべき対象物の素材は様々で薬害を受けやすい物がほとんどです。液体や固体(粉剤)等を直接吹きかけるわけにはいきません。
そこで材質の中まで浸透し、又、材質への残留を押さえたものがガス(気体)製剤です。
 くん蒸は、「ムシ・カビ」におかされた展示・収蔵空間に薬剤をガス化して送り込み、殺虫・殺卵・殺カビを行う仕事です。
通常、施設では年1回、虫害、カビ害が発生したときは随時行われます。

Q2 くん蒸ってどんな方法がありますか?

密閉くん蒸・被覆くん蒸・くん蒸庫くん蒸に大別できます。
密閉くん蒸は展示室・収蔵庫・書庫など部屋も含めて処理する方法です。
被覆くん蒸は大型の物では移築民家など、小規模の対象物や、どうしても外部へ持ち出せないもの、他にくん蒸する安全な場所がない場合などがあります。
くん蒸庫くん蒸はその名の通り「くん蒸庫」へ対象物をいれて行う方法です。
所定の時間くん蒸後、あらかじめ(財)文化財虫害研究所から頒布された供試虫・菌を中に設置し、くん蒸終了後、上記研究所へ送り効果の判定を受けます。殺虫・殺卵効果100%、殺カビ効果80100%で合格の判定書がでます。目に見えないガスの効果はこの判定書とくん蒸ガス濃度データ、施工写真を報告書に添付したものをお渡しして終了となります。

Q3 くん蒸ってなぜ必要なのですか?

大量の文化財・絵画・書籍・貴重資料等をいちどきに処理するには、処理時間を考えても「くん蒸」による手段しかありません。しかし、問題はここに至る迄の過程が重要です。
それは日常の環境管理をどう考え、実践しているかということです。
トラップによる侵入昆虫等の同定・エアーサンプラーによる浮遊付着菌の同定、捕獲場所・捕獲数の確認と侵入原因の解明・侵入阻止の対策が重要となります。
都市の中心部にある施設では大気中に放出されたCO2NOX、展示・収蔵施設内の展示ケースや建築部材からでてくるホルムアルデヒド・ギ酸など劣化につながる要因は身近に多くあります。これら有害ガスを測定することにより環境を把握することも重要です。
くん蒸は、これら環境管理と組み合わせて行うことをおすすめします。
なお、これまでのくん蒸ガスの主流であった臭化メチルが2005年に使用規制されるため、これに代わるくん蒸ガスが各社で鋭意開発されています。

(文責 会員企業 関東港業(株))

4.レプリカ

Q1 レプリカって何ですか?

レプリカは、日本では主にゴルフコンペや球技大会などでの優勝カップの複製という意味で使われています。世界的には、絵画や彫刻の複製を意味します。博物館で色々な理由で本物を出したくない場合によく利用されます。展示物の脇に添えられるキャプションボードによく(複製)という表示があるあれですね。元資料をそのまま複製すればよいので、「何だ、簡単じゃないか」と言われそうですが、これがなかなか大変なのです。形や色は勿論、表面の艶や材質感、古い感じなどを再現しようとすると、むしろ新たに創造するよりも難しい面があります。レプリカは目的によって、今あるものをそのまま複製する「複製」と、できた当時の状態を再現する「復元」に分けられます。またレプリカは、対象史料により、仏像・彫刻や工芸品などの立体物と、掛軸、巻子、文書、屏風、絵馬などの平面物に分けられますが、私たちJHKではこの平面物に深く関わっています。

Q2 レプリカを作るにはどんな方法がありますか?

平面物のレプリカを作る場合、その目的や予算に応じていくつかの方法があります。従来からの伝統技法であるコロタイプ印刷、進歩の早いデジタル技術を取り入れた多色オフセット印刷、色再現の進んだインクジェットプリンターを使った簡便的な方法などが使われています。いずれの方法も先ず原本の写真を撮影することからスタートします。その後画像処理、印刷、手彩色、表装加工などの長い工程を通って制作されています。大きさも色も材質もマチマチで1点1点同じ作り方はないといってよいほど多岐にまたがっています。
小さなものでは付箋やハガキから大きいものでは5m角の絵図など様々ですが、殆どが貴重な文化財である原本の取り扱いには、充分過ぎるほど注意を払って作業しています。

Q3 レプリカってなぜ必要なのですか?

博物館、資料館等で実物資料が手に入らない場合、長期的に展示したい場合、頻繁に閲覧させたい場合などに、レプリカが必要になってきます。博物館や資料館等は、原本の保存・保管という役割と展示・閲覧・公開普及という相反する役割を担っていますが、レプリカがこれらの役割を両立させているとも言えます。来館者はあくまで本物の史料を鑑賞に来るわけですから、レプリカは本物そっくりでなければなりません。貴重な文化財を保護するためにも、鑑賞にたえうるレプリカを作っていきたいものです。

(文責 会員企業 ナカシャクリエイテブ(株))

5.収蔵庫

Q1 収蔵庫って何ですか?

 美術館や博物館、資料館において、貴重かつデリケートな文化財を長期間、最良の状態で保存しておく部屋を収蔵庫と呼んでいます。また、古文書や古く貴重な図書を多く所蔵する比較的大規模な図書館などでは、これらを専用に保管する部屋を貴重書庫と呼んでいますが、その構造、役割は収蔵庫と概ね同じです。

Q2 収蔵庫にはどのような性能が求められるのですか?

貴重かつデリケートな文化財を長期間、最良の状態で保存しておくために、収蔵庫には下記の性能が求められます。

@ 外部の湿気や有害物質を室内に浸入させないこと
A 室内の湿度を一定に保つ調湿性があること
B 室内の壁や床などの内装材及び、収納棚類から有害物質(酸性物質、アンモニア、ホルムアルデヒドetc.)を放出することなく清浄な環境を保つこと
C 万一、火災にあっても収蔵品を焼失、変質させないこと
D 収蔵品の盗難を防げること

                  など

Q3 収蔵庫はどのような構造になっているのですか?

 収蔵庫の壁は基本的に三重構造になっています。外側から、@鉄筋コンクリート(厚さ15cm以上)、A湿気や有害物質を遮断する不透湿層、B調湿パネル(室内の湿度が高くなれば吸湿し、逆に室内が乾燥したら放湿する内装パネル)の三重構造です。@の鉄筋コンクリートは耐火性や防盗性の問題で15cm以上の厚さにしますが、高層階などの場合は乾式の耐火パネルで構築する場合もあります。
また、出入口についても、耐火性と気密性を兼ね備えた収蔵庫専用の扉を設置します。

(文責 (株)クマヒラ)

6.酸性紙、中性紙、再生紙

Q1 酸性紙とは?

わが国では、「酸性紙」の明確な定義はありませんが、国立国会図書館が「受け入れ新刊図書のpH調査」においてpH6.5未満の紙を「酸性紙」としています。同調査によれば、出版物の本文用紙の中性紙化率は1980年代に50%以下であったものが、現在では80%を超えています。

pH114までの値で示し、7が中性で7より低いものを酸性、高いものをアルカリ性という)
酸性紙化の最大の原因は硫酸アルミニウムです。この薬品は紙のにじみ止め剤(ロジンサイズ剤)の定着剤に使用されてきました。この硫酸アルミニウムが、紙に含まれる水分と反応して硫酸を生成し、紙を内部から崩壊させるのです。また酸性紙は、その保管環境の温度上昇にともなう相対湿度の低下が繰り返されると、紙に含まれる水分が徐々に失われていきます。そして、しなやかさがなくなり最終的にはボロボロに劣化していくことがわかっています。酸性紙は、近代製紙産業が始まった1850年代から現在までつくられてきており、公文書館、図書館などを中心に「酸性紙問題」として大きく取り上げられ、さまざまな研究と対策が実施されています。

Q2 中性紙とは?

「中性紙」の定義も曖昧ですが、pH6.5以上でpH7.510のアルカリ領域の紙も含めて中性紙と呼んでいます。
長期保存にふさわしい中性紙の規格は、欧米先進国で制定されています。たとえば、アメリカでは「図書館・文書館における出版物・文書のための用紙の耐久性に関する国家規格」(ANSINISO Z39.48.1992)や「耐久性のある印刷・本文用紙の選択に関する規格」(ASTM D563496)などです。これらによれば、原材料パルプにリグニンなどの不純物質を含まないこと、酸性物質を含まないこと、炭酸カルシウムなどのアルカリ性物質2%相当を紙の中に残留させること、などが挙げられています。最近では、酸やアルカリに弱い資料(写真や染織織物など)の保護を目的として、酸もアルカリも含めないノンバッファー紙もつくられており、これも中性紙の部類に入ります。

Q3 再生紙とは?

経済産業省「紙・パルプ統計」によれば、わが国の古紙利用は2001年で1778万トン、古紙利用率は58%と世界最高レベルに達しています。
「再生紙」とは古紙をリサイクルして作った紙のことを指します。近年、資源と環境などの問題から再生紙の使用が進められており、特に官公庁を中心に事務用紙の再生紙への転換が進んでいます。
再生紙が幅広く使用されることは望ましいことですが、長期保存用の書籍や文書の用紙としてはバージンパルプからつくられた中性紙を使用するべきです。なぜなら、再生紙は原料古紙にさまざまな紙が混入する可能性があり、原料パルプ品質の一貫性や純粋性を保証できないことや、長期の耐久性についてもほとんど研究されていないこと、などの問題があるからです。

(文責 会員企業 特種製紙(株))

7.製本

Q1 製本って何ですか?

 古来より文化の伝達の手段として、文字と紙が発明され製本という技術が生まれました。
製本とは、資料等の紙類を順序正しく揃えその一端を綴じて本文とし、その本文を保護するために、表紙をつけて本に仕立てることです。
製本することにより、読みやすく、書き込みしやすく、保存しやすい形になります。
 生産様式から見ると、数物製本(出版製本)と諸製本(図書館製本)に分けることができます。諸製本とは、諸々のものを製本するという意味です。よって綴じしろさえあれば製本可能となり種々の資料を製本することができます。1度出版されたものを再製本する(雑誌の合本製本)・書類(行政文書・古文書)の製本・壊れた図書の修理製本・コピーの製本等は諸製本といえます。

Q2 製本ってどんな方法がありますか?

 製本様式から見ると、和装製本と洋装製本の2種類に分けられます。
 和装製本には、線装本(四つ目綴じに代表される製本方法です)・巻子本(巻物)・折本等があります。洋装製本には、上製本・簡易製本とがあります。上製本は、綴じた本文に厚表紙(ボールにクロスを巻いたもの)を付ける方法で、綴じ方は機械綴じ・打ち抜き綴じ・無線綴じ等で資料にあったものを選びます。上製本は、通常製本の構造上綴じた本文を背固めし寒冷紗をつけ表紙と本文をつなぎ見返しをつけます。簡易製本は、綴じた本文に紙の表紙を付ける方法で、綴じ方は通常打ち抜き綴じにします。単に綴じるだけでなく補修・足継ぎ(綴じしろを作る)等の処置をしてから綴じることもあります。その他にも様々な製本の種類があります。

Q3 製本ってなぜ必要なのですか?

資料を利用し、保存し、管理しやすくするために必要と思います。
製本することにより、散逸せず、利用しやすく、管理しやすく、保存することができます。しかし、資料の劣化状態によりそのままでは製本できないもの、製本しないほうがよいものもあるかもしれません。また、全く利用されない資料もあるかもしれません。資料のなかには補修を施す必要があるにもかかわらず、手当てできないために公開されない文書もあります。公開の実現のためには、和紙での裏打ち等積極的な補修保存が必要です。保存は単なる保管ではありません。歴史的価値をできる限り損なわない保存のための製本・補修をし後世に伝えていく必要があると思います。
よって資料の価値・状態・利用状況により適切な判断をする必要があると思います。

(文責 会員企業 ナカバヤシ(株))

8.資料のデジタル化

Q1 資料のデジタル化ってなんですか?

 私たちは日頃、目で見たり耳で聞いたりしたことを誰かに伝えるとき、文字や言葉という情報に置き換えて伝達しています。デジタル化とは連続した情報であるアナログ情報をコンピュータで扱うことのできる量子化されたデジタル情報に置き換えることです。デジタルデータそのものは劣化しない上に、データベースやネットワークを通じて効率的に処理することができます。
インターネットでは、それらの情報を継続的に、かつ広範囲に伝えることができ、時間と場所を越えたインタラクティブな情報の共有を可能にします。

Q2 資料のデジタル化ってどんな方法(種類)がありますか?

 大きく分けて、次の二つの方法があります。まず資料を撮影したフィルムをスキャナーでデジタル化する方法、もう一つはデジタルカメラやスキャナーで資料を直接デジタル化する方法です。資料の大きさや形状、解像度などを考慮し、使用目的をはっきりさせて選択する必要があります。より高精細なデータを必要とする場合は大判フィルムで分割撮影したものをスキャナーでデジタル化し、デジタルデータをつなぎ合わせて使用することもあります。
 また、どちらの方法でもカラーマネージメントは避けて通れません。いくら高精度のスキャニングを行ってもカラーマネージメントがうまく行われていなければでき上がったデータの精度は高いものとはいえません。
 このように、資料のデジタル化とは、使用目的をはっきりさせて撮影から最終データの作成までのトータル設計が重要になります。

Q3 資料のデジタル化ってなぜ必要なのですか?

 貴重な資料も時とともに劣化・風化することが避けられません。また、これらの資料を積極的に利用しようとすると、さらに破損や劣化を促進させることにもなりかねません。このように資料の保全と利用においては相反することが往々にして起こりますが、これらの問題の有効な解決法にデジタルアーカイブがあります。「資料原本には適切な保存処理を施し、情報そのものは高精細にデジタル化して運用する」というのが、デジタルアーカイブの理念です。
 但しデジタルデータは劣化しませんが、デジタルデータを格納した CD-R 等の記録媒体の劣化や再生するハードウェア環境等の変化により、最悪の場合データを読み出せなくなることも考えられます。重要なデータは定期的にバックアップする必要があることはいうまでもありません。
またIT技術の発展により、多くの人々が容易に情報を共有できるようになりましたが、反面データのセキュリティー等の新たな課題も出てきています。

(文責 会員企業 (株)堀内カラー)

9.資料のマイクロ化

Q1 資料のマイクロフィルム化って何ですか?

マイクロフィルムは、原情報を肉眼で読めないほど極度に縮小して作成された微小写真画像のことをいい、情報の正確な記録を初めて可能にした、100年以上の実績のあるメディアです。
 その特徴として、@「高記録密度」、A「高画像品質」、B「高速入力」、C「半永久的保存が可能」、D「情報形態の統一化」、E「可視情報の忠実記録」等があります。
 これらの特徴によって、行政文書、貴重書、古文書、大型絵図、図面等の記録メディアとして、多くの機関等で利用されています。
 また、最近では、デジタルメディアの保存・バックアップを目的として、デジタルからマイクロフィルムへの変換も行われるようになってきました。

Q2 資料のマイクロフィルム化ってどんな方法(種類)がありますか?

 大きく分けて、ロール状フィルムとシート状フィルムの2種類があり、各々の形態毎に各種特性を備えたいくつかのタイプがあります。
ロール状フィルムには、A.リール式(35mm幅・16mm幅)とB.カートリッジ式があり、A.35mmは主に貴重書、古文書、絵図等に、A.16mmは行政文書、台帳等に多く利用され、A.16mmを高速検索するために、B.の方式があります。
シート状フィルムには、a.マイクロフィッシュ、b.マイクロフィルムジャケット、c.アパーチュアカードがあり、a.は閲覧等を主目的とした貴重図書等に、b.は情報の追加・訂正がある台帳等に、c.は主に図面に利用されています。

Q3 資料のマイクロフィルム化ってなぜ必要なのですか?

マイクロフィルムの機能性として、@「保管スペースの節減」、A「情報の安全性」、B「情報の長期保存性」、C「高速検索が容易」、D「標準化、規格化の確立」、E「法的証拠能力がある」、F「システム依存性がない」等があります。
これらの機能性を有するマイクロフィルムは、情報の運営、管理、保管等の一つの手段として、長期に渡って利用されています。
特に、Eの機能性により、行政文書に広く利用され、また、Bの機能性により、貴重書、古文書等の歴史資料に有効利用されています。
最近では、マイクロフィルムをスキャンしデジタル変換することで、通信ネットワークにも対応し、その活用の場を広げています。

(文責 会員企業 (株)ニチマイ)


マイクロ写真制作料金参考資料

(この料金は協定価格でありません。この料金には消費税は含まれておりません)

関東イメージ情報業連合会                H14.10.算定

 

      

単位

価格

撮影

準備整理作業

11日当り)

 

49,567

11時間当り)

 

7,080

図面撮影

35mm平床式         基本料

1 件

2,994

A3判以下

1 駒

200

A2A1

243

A0

424

一般文書撮影

35mm平床式         基本料

1 件

2,994

ハーフサイズ

1 駒

100

フルサイズ

119

一般文書撮影

16mm平床式         基本料

1 件

2,994

ハーフサイズ

1 駒

88

フルサイズ

96

一般文書撮影

16mm輪転式         基本料

1 件

2,994

ハーフサイズ

1 駒

32

フルサイズ

40

フィッシュ(105×148

60モード

1シート

5,029

   〃

98モード

7,575

カラーマイクロフィルム

基本料

1 件

5,507

   〃      35mm

フルサイズ

1コマ

701

カラーマイクロフィルム 16mm

フルサイズ

458

カラーマイクロフィッシュ

60モード

1シート

9,930

   〃

98モード

14,171

マイクロフィルムの現像のみ 35mm

30.5

1 本

5,735

   〃          16mm

30.5

5,375

 デュープ

プリントフィルム  35mm

30.5

1 本

9,335

   〃      16mm

30.5

1 本

7,286

   〃     フィッシュ

105×148

1 枚

608

DDフィルム    35mm

30.5

1 巻

11,350

   〃      16mm

30.5

8,191

ジアゾフィルム   35mm

30.5

1 本

7,079

   〃      16mm

30.5

1 本

5,872

   〃      フィッシュ

105×148

1 枚

386

引 伸 し

複写印画紙      A0

 

5,786

   〃       A1

 

2,582

   〃       A2

 

1,094

   〃       A3

 

481

   〃       A4

 

240

普 通 紙      A2

 

678

   〃       A3

 

273

   〃       A4

 

127

ポリエスタ・ベース  A0

 

11,562

   〃       A1

 

5,750

   〃       A2

 

2,878

   〃       A3

 

1,416

   〃       A4

 

708

そ の 他

アパーチュアカード  記入式

 

1シート

186

   〃       マウント代

 

36

ジャケット(4×6吋) 35mm2段(挿入代込み)

212

   〃        16mm5段(  〃  )

306

   〃        記入代

 

239

16mmカートリッジ   Mタイプ(挿入代込み)

1

4,425

   〃        Aタイプ

 

1,546

10.マイクロフィルムの保存

Q1 マイクロフィルムの素材にはどのような種類がありますか?

白黒のマイクロフィルムの断面は図のようになっています。支持体(ベース)の素材は、歴史的に見ると銀塩写真がマイクロフィルムとしてはじめて使用された1928年頃の素材はニトロセルロース(NC)で、1954年頃から酢酸セルロース(TAC)が使われ始め1958年以降は全てTACになり、1973年頃から63ミクロンのシンパックといわれるフィルムからポリエスター(PET)が加わり、PETベースに切り替わるまではTACベースと併用されていました。1993年以降は全てPETベースが使用されています。それ以外の素材は、画像としての銀粒子とバインダーとしてのゼラチンです。

Q2 マイクロフィルムはどのような原因で劣化するのですか?

 マイクロフィルムの劣化は、使用されている素材に悪影響を及ぼす要因が劣化の原因になります。バインダーのゼラチンは湿度の影響で、低湿でひび割れ、高湿でカビが生えます。画像銀は酸化性の雰囲気(油性のペンキ、接着剤、酸性紙、排気ガスなど)で、銀鏡や現像銀が黄色のコロイド銀に変わるマイクロブレミッシュが起きます。NCベースとTACベースは水分があると加水分解(化学反応)を起こします。PETベースはペットボトルと同じ素材で安定しています。
 このようにマイクロフィルムの劣化の原因は、化学反応を促進する温度と湿度及び酸化性のガスです。そのほかには取り扱い時の問題として、フィルム面につく指紋、ゴミ、傷などと、現像処理が不完全のためにフィルムに残っている薬品など(残留チオ硫酸塩:水洗不良、残留銀:定着不良)での変色があります。

Q3 マイクロフィルムの最適な保存環境は?

テキスト ボックス: 表 マイクロフィルムの保存条件(JIS Z 6009-1994)
保存区分	保存期間	保存条件	相対湿度%RH	温度℃
			TACベース	PETベース	最高
中期保存	最低10年	中期保存条件	15〜60	30〜60	25
永久保存	永久的	永久保存条件	15〜40	30〜40	21

 







1991
年にTACベースの加水分解が確認されてから、ISOJISで保存条件が見直され、1994年に改定されたJIS Z 6009-1994では表のようになっています。2000年に見直されたISO 189112000ではTACベースの銀-ゼラチンフィルムの保存条件はより低温低湿となり、永久保存条件で220-50RH520-40RH720-30RHPETベースの銀・ゼラチンフィルムは2120-50RHとなっています。

(文責 会員企業 富士写真フイルム(株)オフィス&インダストリー機材部)

11.写真(フィルム)の保存

1 フィルムはなぜ劣化するのですか?

 私たちの身の回りにあるもの全てに当てはまりますが、物体は時間と共に少しずつ劣化していきます。このような劣化は、空気中にあるさまざまなガス、温度や湿度、光線などによる影響や物理的な影響など様々な要因が複雑に絡み合い発生していると考えられます。
フィルムも例外ではなく、フィルムを構成するそれぞれの材料が時間と共に劣化していきます。フィルムを構成する材料は、乳剤層にゼラチン、フィルムベースは酢酸セルロースやポリエステルが用いられています。ゼラチンはタンパク質なので高温多湿の環境ではバクテリア等の微生物に冒されたり、カビの発生により菌糸が乳剤層に入り込んだりして劣化することがあります。また、ベースや画像を形成している銀や色素もそれぞれの材質特有の劣化が進み画像が失われていきます。


Q2 フィルムの劣化にはどんな種類がありますか?

フィルムの典型的な劣化現象として、モノクロフィルムの銀画像に起こる硫化や酸化、カラーフィルムの発色色素の退色による劣化があります。硫化や酸化はモノクロ画像を形成している銀画像が大気中のガスと反応を起こし発生します。退色はカラー画像を形成しているイエロー、マゼンタ、シアンの3種類の色素の劣化により発生します。光が当たることにより色素が劣化する退色を明退色、光以外の要因で起こる退色を暗退色と呼び、退色の進行は保存環境に大きく影響されます。それぞれの退色の特徴として、明退色はマゼンタ色素の劣化が促進され、青っぽく全体にコントラストのない画像になることが多く、また、暗退色はシアン色素とイエロー色素の劣化が促進され、赤っぽい画像になりやすいとされています。
このほかに、フィルムベース(酢酸セルロース:TACベース)が引き起こす加水分解や現像処理の残留薬品による劣化、取り扱いの不注意による指紋や汚れが引き起こす劣化、傷などの物理的な劣化にも十分な注意が必要です。

Q3 フィルムの劣化を防ぐには?

現在の技術では、フィルムの劣化を完全に防ぐことはできません。しかし、劣化の度合いを最低限に抑えフィルムを延命させることは可能です。
光や高温高湿な環境はフィルムを劣化、変退色させる原因となりますので、フィルムの保存には通気性の良い、乾燥した冷暗所が適しています。また、カビの発生を抑えるためには、写真用の抗カビ剤や湿度調整シートを用いたり、保存性を考えた専用のアーカイバル包材を用いたりすることも効果的です。フィルムを取り扱う際には、指紋、汚れや傷などを付けないよう十分な注意が必要です。指紋や汚れが見つかった場合は、そのまま放置するとカビを誘発させるおそれがあるので、速やかに適切なクリーニング処置を行うことが必要です。
退色が進行したフィルムでもあきらめることはありません。デジタル技術により修復が可能な場合があります。しかし原本であるフィルムの重要性は変わりませんのでフィルムの適切な保存処置(JIS K 7641)が重要です。

(文責 会員企業 竃x内カラー)




12.写真(プリント)の保存

Q1 写真(プリント)の保存って何ですか?

写真画像は我々の文化・社会・生活面を豊かにする手段としてますます多用されるようになり、それに伴って画像の保存性についての社会的ニーズと関心もいっそう増大しつつあります。長期にわたって保存する価値のある写真画像が保存中に劣化し、決定的に破損するようなことはあってはならないことです。しかし現在の写真画像は、長期間の保存性能の点で万全とはいえません。
写真画像の寿命は写真材料、現像処理、保存環境によって左右されますので、我々がこれから先唯一注意できる保存の仕方について適切であるようにすることが必要です。

Q2 写真(プリント)の保存ってどんな方法がありますか?

厳密にいえば19世紀の鶏卵紙と、その後のバライタと、最近のRCペーパーでは保存措置が異なりますが、保存条件としては温度、湿度、包材に注意が必要です。プリントの保存はJIS K 7642(ISO 18920)で細かく規定されています。また写真包材によって画像が被る可能性のある科学的または写真的な影響の試験方法もJIS K 7617(ISO 18916)で規定されています。使用する包材はこの標準に合格しているものを使用する必要があります。具体的な保存方法を紹介します。
カールを防ぐために立てずに積み重ねて置きます。その場合の高さは5cmぐらいまでとします。プリントとプリントの間にノンバッファーの間紙を挟み、中性紙の保存箱に容れます。貴重なプリントで利用頻度が高ければ複写を作るかデジタルデータを作り、複製を利用するようにします。
上記の措置がとれない場合は、添加物の少ないポリプロピレン、ポリエステルなどでできたファイルにしまい、バインダーに綴じるかハンガーを使いキャビネットに吊し、オリジナルをそのまま利用します。
いずれも同時に大切なことは、JIS規格(JIS K 7642)による温湿度の許容範囲、15℃〜20℃、30%〜50%にできるだけ近い条件で保存することです。(特にカラープリントの温度についてはきびしい管理が要求されています)


Q3 写真(プリント)の保存ってなぜ必要ですか?

文字では表現しえない貴重な情報をもっている写真画像は、文字情報を長期に保存することと同様に、画像の記録を安全に保管することがますます重要となってきています。このことは、フィルム、デジタル写真でも同じですが、プリントには特別な保存要請があります。それは作家自らが焼付けまで行った唯一無二のオリジナルプリントは特別な価値を持つからです。

(文責 会員企業 潟Rスモスインターナショナル)



13.デジタル・アナログ ハイブリッドシステム

Q1 デジタル・アナログ ハイブリッドシステムとは何ですか?

一般に情報管理分野で表現されるときは、デジタル媒体(HD/DVD/CD/FD等)とアナログ媒体(紙・フィルム等)の特性(長所と短所)を、お互いに補完することで情報を担う媒体物としての役割・効用を訴求する「考え方」と「使い方」を意味しています。
最近、アクセス性に優れた各種デジタル媒体と長期保存に優れたマイクロフィルムを補完・共存する媒体との位置付けによる情報管理手法の普及に伴い、「デジタル&フィルム ハイブリッド システム」とのフレーズで使われることが一般化してきました。

Q2 デジタル・アナログ ハイブリッドシステムにはどんな方法がありますか?

以下の2通りの変換フローがあります。
アナログからデジタルへの変換フローと、その逆のデジタルからアナログへの変換フローです。
前者で代表的なのは専用スキャナー、またデジタル複合機による紙情報からデジタルデータへ変換する使い方です。更に最近、普及が進んでいるマイクロフィルムからデジタルデータへ変換するフィルムスキャナーも、アナログ媒体からデジタルデータへ変換する手法と注目されています。
後者はデジタルデータをアナログ媒体へ変換する手法です。大局的な分類に従えば、デジタルデータから紙へ変換するプリンタ・オンディマンド印刷機も範疇ですが、最近、注目されている変換フローとして、プリントアウトが可能なデジタルデータを直接マイクロフィルムに変換する電子アーカイブレコーディングシステムがあげられます。特にセキュリティに弱いデジタルデータの究極のアーカイブ手法として、欧米に続き、日本国内でも注目され始めました。


Q3 デジタル・アナログ ハイブリッドシステムはなぜ必要ですか?

結論的に述べるなら情報を担う媒体として絶対的有利な特徴を有した媒体が、残念ながら存在していないことに起因していると考えます。
一般的に文書のライフサイクルに合致した媒体として下記の棲み分けがなされています。日々
の「活用」は紙媒体・HDD等中心、「保管」は紙媒体・外部記憶媒体(CD-R・DVD-R等中心)、そして「長期保存」はマイクロフィルム中心との位置付けです。勿論、お互いの領域はオーバーラップしています。
大切な点は各種の媒体は共存・補完する関係であるとの見方です。特に、最先端技術に盲目的な信頼感を寄せる国内特有の事情を鑑みた場合、デジタルとマイクロフィルムの補完関係を熟知することは情報資産の有効活用を実現するため必須の事項です。

(文責 会員企業 富士写真フイルム梶@オフィス&インダストリー機材部)


14.磁気テープ

Q1 磁気テープにはどんな種類がありますか?

磁気テープには用途によりオーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用があります。 オーディオやビデオ用にはアナログ記録方式とデジタル記録方式があります。磁気テープを利用したメディア規格としては、以下のようなものがあります。オーディオ用磁気テープには、アナログ記録のオープンリール、コンパクトカセット、マイクロカセットなど、デジタル記録のものには、DAT(Digital Audio Tape)などがあります。 ビデオ用磁気テープには、D-VHS/VHS 、DV(Digital Video)、HDCAM(High Definition)などがあります。 コンピュータ用磁気テープにはオープンリール、DAT/DDS(Digital Data Storage)、DLT(Digital Linear Tape)、QIC(Quarter-Inch Cartridge)、LTO(Ultrium)(Linear Tape-Open)などがあります。
データ量の少ない民生用のオーディオ用、ビデオ用テープはCDやDVDなどの媒体に替わっているものもありますが、業務用のビデオテープやコンピュータのデータストレージ用としては、記録容量が多く低コストで安全に保管できることから磁気テープが使用されています。


Q2 磁気テープの構造はどうなっていますか?

磁気テープには記録内容・方法、サイズ、カセットなどが規格によって違いますが、データを記録する磁気テープ自体はほとんど同じ組成です。 磁気テープの構造はテープの土台であるベースフィルムに、バインダに磁性粉を混ぜた磁性層からなっています。 帯電防止や搬送性のためにバックコートとコーティング層のあるものもあります。 土台のベースフィルムはPET(ポリエチレンテレフタレート)、磁性粉は酸化鉄、酸化クロム、コバルトなどが使用され、バインダは樹脂で構成されています。 カートリッジはほとんどが樹脂でできています。




Q3 磁気テープの寿命と保存方法は?

各素材の寿命のうち、バインダが一番短いが30年以上は持つだろうといわれています。 しかし、テープ媒体の寿命は、装置の設置環境・取り扱い・メンテナンスなどにより変化します。 テープ装置はハードディスク等とは異なり、定期的なメディアの交換やバックアップ装置のクリーニングといったメンテナンスが必要な装置です。磁気テープ装置は、テープ媒体(メディア)から出る汚れや、空気中に浮遊している塵埃により、テープ装置の磁気ヘッドが汚れてしまいます。汚れたままのヘッドがテープ媒体に接触してテープ媒体の表面を傷つけるため、テープがすぐに傷んでしまいます。取り扱いや保存には下記の注意が必要です。
(1) テープ装置(ドライブ)にテープ媒体を入れっぱなしにしない
(2) テープはきちんと巻き戻してケースに収め、 立てて保存
(3) 強い磁気には近づけない
(4) 保存はチリやホコリの少ない場所
(5) テープ装置(サーバ)の設置環境は塵埃に十分配慮する

                          富士写真フイルム(株) オフィス&インダストリー機材部


15  CD・DVDの保存

Q1. CD・DVDにはどんな種類がありますか?

CD(Compact Disc)は、音楽用やコンピュータ用などに利用されている媒体で、CD-DA、CD-ROMなどの規格の総称です。CDの種類には、読み取り専用のCD-ROM、追記のみ可能なCD-R、書き換え可能なCD-RWの3つがあります。読取専用のCDには音楽記録用のCD-DA、コンピュータ・ファイル用のCD-ROM、マルチメディア用のCD-I、音楽と静止画を入れたカラオケ用のCD-G、動画用のVideo CD、デジタル写真用のPhoto CDなど用途によって記録フォーマットの違いがあります。
DVD(Digital Versatile Disk)は、大容量の光ディスクで、様々なDVD規格の総称です。 DVDの種類には読み取り専用のDVD-ROM、追記のみ可能なDVD-R、書き換え可能なDVD-RW、DVD-RAM、規格母体が違うDVD+R、DVD+RWがあります。用途別の分類ではコンピュータ・ファイル用のDVD、映画などの動画用のDVD-Video、音楽用のDVD-Audioがあります。この他の分類では1層片面記録(4.7GB)、2層片面記録(8.5GB)、1層両面記録(9.4GB)、2層両面記録(17GB)があります。DVD-Videoのソフトには、リージョンコード(Region Code)と呼ばれる世界を9地域に分けた地域コードが記録されていることがあり、プレイヤーのコードと一致しないと再生はできません。このために海外で入手したDVDは国内では再生できないことがあります。 
CDやDVDには様々な規格があり、同じように見えてもメディアの規格とプレイヤーやドライブの規格が合っていないと再生・書き込みができません。


Q2. CD・DVDの構造はどうなっていますか?

CD・DVDともに主に直径 12cm、厚さ 1.2mm のポリカーボネート樹脂製の円盤です。図はCD-Rの断面ですが、基盤の上に色素の記録層とレーザーを反射する反射層と保護層で構成されています。素材は、基盤はポリカーボネート(〜1.2mm)、保護層は紫外線硬化樹脂(約20μ)です。記録層(約10μ)はシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の色素が、反射層(約10μ)にはアルミニウム、銀、金などがあります。CD-ROMの場合は記録層が色素ではなく基盤の凹凸でデータを記録しています。DVDは約0.6mmの基盤が2枚張り合わされた構造で、張り合わせ面に色素(-R)、凹凸(-ROM)の記録層があります。各素材はCDと同じです。



Q3. CD・DVDの保存方法は?

1. 保管温度10-25℃、湿度20-60%RHに保つ。:色素の滲みや反射層の錆から守るため
2. 急激な温度変化をさける。:張り合わせてある樹脂の剥がれを防ぐため
3. 専用プラスチックケース、またはスピンドルに入れて暗い場所に保管する。:色素の光(紫外線)による劣化、樹脂の劣化を防ぐため
この他には、取扱いでの傷や汚れの防止があります。また、CD・DVDの保管とともに、これらを再生するシステムの維持も重要です。

富士写真フイルム オフィス&インダストリー機材部