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情報保存Q&A 8.製本

Q1 製本って何ですか?  
古来より文化の伝達の手段として、文字と紙が発明され製本という技術が生まれました。 製本とは、資料等の紙類を順序正しく揃えその一端を綴じて本文とし、その本文を保護するために、表紙をつけて本に仕立てることです。 製本することにより、読みやすく、書き込みしやすく、保存しやすい形になります。  生産様式から見ると、数物製本(出版製本)と諸製本(図書館製本)に分けることができます。諸製本とは、諸々のものを製本するという意味です。よって綴じしろさえあれば製本可能となり種々の資料を製本することができます。1度出版されたものを再製本する(雑誌の合本製本)・書類(行政文書・古文書)の製本・壊れた図書の修理製本・コピーの製本等は諸製本といえます。
Q2 製本ってどんな方法がありますか?  
製本様式から見ると、和装製本と洋装製本の2種類に分けられます。  和装製本には、線装本(四つ目綴じに代表される製本方法です)・巻子本(巻物)・折本等があります。洋装製本には、上製本・簡易製本とがあります。上製本は、綴じた本文に厚表紙(ボールにクロスを巻いたもの)を付ける方法で、綴じ方は機械綴じ・打ち抜き綴じ・無線綴じ等で資料にあったものを選びます。上製本は、通常製本の構造上綴じた本文を背固めし寒冷紗をつけ表紙と本文をつなぎ見返しをつけます。簡易製本は、綴じた本文に紙の表紙を付ける方法で、綴じ方は通常打ち抜き綴じにします。単に綴じるだけでなく補修・足継ぎ(綴じしろを作る)等の処置をしてから綴じることもあります。その他にも様々な製本の種類があります。
Q3 製本ってなぜ必要なのですか?
資料を利用し、保存し、管理しやすくするために必要と思います。 製本することにより、散逸せず、利用しやすく、管理しやすく、保存することができます。しかし、資料の劣化状態によりそのままでは製本できないもの、製本しないほうがよいものもあるかもしれません。また、全く利用されない資料もあるかもしれません。資料のなかには補修を施す必要があるにもかかわらず、手当てできないために公開されない文書もあります。公開の実現のためには、和紙での裏打ち等積極的な補修保存が必要です。保存は単なる保管ではありません。歴史的価値をできる限り損なわない保存のための製本・補修をし後世に伝えていく必要があると思います。 よって資料の価値・状態・利用状況により適切な判断をする必要があると思います。

(文責 会員企業 ナカバヤシ(株))

 

 

 

 

 


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