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情報保存Q&A 22.免震


Q1.免震とは何ですか?

免震とは、地震の揺れを受け流す地震対策で、対象物(建物、美術品等)と地盤の縁を切ることによって、地震の揺れが伝わらないようにすることです。地震が来ても、対象物そのものはほとんど揺れなくなりますが、地面だけが動くことになるので、前後左右に可動域(±25cm前後)を確保する必要があります。揺れを低減するという意味だけで言えば、完全に浮かせるのがベストですが、逆に、日常簡単に動き過ぎて様々な支障をきたします。そのため、日常生活で簡単に動き過ぎず、地震時には対象物の揺れを大幅に低減し、速やかに収束停止できる免震装置が開発されています。

 

Q2.免震装置にはどんなものがありますか?

免震装置には、免震ビルなどで用いられる積層ゴム支承(鋼板とゴムを幾層にも重ね合わせたもの)、低摩擦材を利用したすべり支承、ベアリングを利用した転がり支承などがあります。
免震化する対象物に応じて、建物全体を免震化する場合と、展示台やサーバーだけを局所的に免震化する場合があります。

局所的な免震装置は、展示台の下に組み込んだり、展示物を直接免震装置に搭載するなど、設置が簡易で、既存の施設などにも使えるという利点があります。
ただし、2004年の新潟県中越地震時における火焔土器(縄文式土器)のオーバーランによる転倒・破損事例のようにならないように、可動域が大きな免震装置を選定し、五徳やテグスで支持・固定することを推奨します。

 積層ゴム支承の例 滑り支承の例転がり支承の例

 

 
五徳で支持する例
 火?土器 
テグスで固定する例
火?土器

テグスの拡大写真

 

Q3.新潟県中越地震による土器破損事例って?

新潟県の長岡市立科学博物館において、2004年の新潟県中越地震で当時展示中であった火焔土器(縄文式土器)が、免震装置上に展示していたにもかかわらず転倒・破損した事例がありました。
原因は、免震装置の可動域がわずか±約15cmしかなく、可動域を超える想定外の揺れが発生したので、ストッパーに衝突した勢いで土器が装置外に投げ出されたことで破損しました。

長岡市立科学博物館での破損事例

(文責 アイディ−ルブレ−ン(株))

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